メリー:うぉぉぉぉぉぉぉぉ!
リン:!?
メリー:う……っど、どうだ……!
まだ、やるか!?
リン:当……然……よ!
メリー:なら……もう一撃だ!
リン:く……!
(触れてるのに、魂が暴れてて憑依させられない……!)
二人:うぉぉぉぉぉぉぉ!
リン:(今だ!)
リン:サモン、デスサイズ!
メリー:!?
しまっ――
――――やれやれだぜ。
!
リン:蒸発!?
メリー:!!!
???:震えるぞハート!燃え尽きる程ヒート!
ヴァルカン:そう叫びたくて仕方が無い気分。
メリー:ヴ、ヴァルカン……生きてたのか!
ヴァルカン:死んだとは一言も申してないが。
ただ単に、炎が弱まって休眠してただけだ。
誰かさんが燃えすぎるせいで、こっちまで燃え上がるハメになったがな。
メリー:ああ、そう。目は覚めたか?
バッチリだ!
行くぞメリー!お前に我が炎を!
メリー:お、応!
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
リン:この熱気は――――私を造った炎……!?
昇華しろぉぉぉぉぉぉ!!
…………
レッド:やっ…………
夜叉の鎧だけ…………!?
???:……それは私の鎧さんだ。
レッド:な……に……!?
脱衣!これが、お前に足りてない力……即ち馬鹿さ!!
着衣剣士:なっなななななななな!?
全裸剣士:見せてやる、これが俺だぁぁぁぁっ!
着衣剣士:み、見せるな!服を着ろぉぉぉぉっ!
(……まあ、男らしいと解釈しておきましょうか)
着衣剣士:くっ!
全裸剣士:遅い遅い!速さが足りないぜ!
着衣剣士:ぐぁぁ!
何故だ……何故俺が押される!?
お前よりも完全である俺が!
どうしてお前に負けねばならないんだ!
お前は、愛する者を心から笑わせる事が出来るのに
何故、俺はそれすらも出来ないんだ……!
全裸剣士:お前、そんな事を考えてたのか……。
着衣剣士:黙れ、同情などいらん!
負けられない……俺が俺であるために!
負けられないのだ、この戦いだけはぁぁぁぁ!
全裸剣士:……同情して欲しくないなら黙ってりゃいいのに……っと!
だけど、ごめんな!
俺も負けられないんだ!
眠ってな!
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
…………
サージャ:ふぁー……。
フォリア(Wis):サージャさん、無事ですか?
サージャ(Wis):危うく殺されかかった。
フォリア(Wis):え!?どんな強いモンスターが――
サージャ(Wis):“退屈”という名の化け物だよ。
“退屈”は人を殺す、とは良く言ったものだよなぁ…怖い怖い。
フォリア(Wis):……じゃあ死ねばいいのに。
そうじゃなくてメリーさん達ですよ。
サージャ(Wis):彼女らの戦いは、俺が出るまでもなく――
メリーさんがゴットフィンガーでフィニッシュ、ってところかな。
早くしないと、グリランドリーが消えるぞ。
フォリア(Wis):ようやく……出番ですね!
今からそっち向かいますよー!
サージャ:……1000mから垂直降下かよ。
逞しくなったなぁ……。
リン:……ああ…………っ!
メリー:さよならだ、リン……御免……。
リン:(ようやく、終われるんだな……
(誰かを傷つけるだけの人生……
(もう、いいよ……レッド……
(これからは、自由に生きて……ね……。
(……最後に……
(もう一度だけ、貴方に触れたかった……
(さよ……なら……
フォリア:逝かせませんよぉぉぉっ!
!!!!!
メリー:!?
…………
サージャ:よっ。
フォリア:よっ。
サージャ:まさにデウス・エクス・マキナだな。
物語の最後に颯爽と現れて、バッドエンドをハッピーエンドに強引に塗り替えるとは。
フォリア:
DEM気質はお互い様ですよ。
サージャさんも、約束守ってくれて、有難う御座いました。
サージャ:ん…………昨日のあれの事か。
フォリア:私は、これからアクロに帰ります。
サージャ:決戦まで18時間しかないぞ。
フォリア:……時間までに戻れるか判りませんが、それまで、メリーさんを守ってて下さい。
サージャ:俺一人で?二人で二階級特進しろってのか。
フォリア:……嘘ばっかり!
サージャさんは、ずるいです!
強いくせに、弱いふりなんかして……。
サージャ:……。
フォリア:……約束して下さい。
明日だけは、手加減しないって。
サージャ:…………仕方ないな、本当に、明日だけだからな。
明日だけ本気出す。
フォリア:本気出したんですね。
サージャ:なんで言い切れる?
フォリア:だって、凄く不機嫌そうじゃないですか。
サージャ:ちっ……ああ、全く、その通りさ。
強くても、いい事なんて何もない。
…………
――はい、そこまで。
――!
これ以上の戦闘は、治安上許すわけにはいきません。
一応、防衛部の幹部ですので。
――お
レッド
2:親父……!
レッド:親父、手が!
ルージュ:峰打ちスタンブロウ……痺れました。
でもレッド、これは――明らかに殺す気0ですね。
レッド:……甘い、って?
ルージュ:ええ、武人としてあるまじき甘さです。
ですが……人として、忘れてはならない優しさ、でもあります。
甘さは弱さではありません。
貴方の強さを、大事にしなさい、レッド。
そして――
レッド:……俺の、負けか。
ルージュ:……少し効きましたよ、ウリエガノフの一撃。
その無慈悲さ、苛烈さは、武人にあるべき資質。
ですが今回は――
こちらのレッドの勝利、と致しましょう。
レッド:あ……ど、どうも?
……って、こうしちゃいられねぇんだよ!
メリー、待ってろよぉぉぉ!
ルージュ:向こうはもう決着がついたとWisが……って
少しは落ち着いて聞き――
レッド:あ、そうだ、親父!
ルージュ:……慌ただしいですね……何か?
レッド:そいつの事、親父に任すわ!
レッド?:あ!?
ルージュ:……ふふ、判ってますよ。
二人とも、私の大切な息子です。
レッド:へへっ……ありがとよ、親父!すぐ戻ってくるぜ!
ルージュ:あ、あと――
服をー……………………
…………まあ、いいか、男の子ですし。成人してるけど。
レッド?:……俺をどうするんだ、親父。
ルージュ:……そうですね。
レッド?:アイツはああ言ったけど……俺も男だ、死ぬ覚悟ぐらいある。
吸収されて、一人のレッドに戻っても構わない。
ルージュ:未熟者がタナトスに従っても、開き直りにしか見えませんよ。
……レッドは貴方を生かそうとしました。
記憶よりも、そちらを望んだのです。
ですから、私はその意思を尊重しましょう。
……Rosso……
私から貴方に贈る、新しい名前です。
ロッソ:……半人前ではなく、一人の人として生きろ、と。
ルージュ:そういう事です。
ロッソ:馬鹿だなレッドは、俺は殺そうとしたんだぞ、二人とも……。
ルージュ:馬鹿だから、強いんですよ、きっと。
…………
メリー:リン、リン、リン!
リン:うん………あと五分。
メリー:目覚ましか!
ビシッ
リン:あいたっ!?
メリー:元気そうだな。
どうだ、新しい体は?
リン:え?
あ、あら?あららららー、体が柔いー!?
フォリア:いいでしょう、貴女専用のバディー。
リン:えと……一体何が……?
フォリア:体に不備は無いと思いますよ。
道中、私がしっかり味見……ゲフ、診察しましたから。
メリー:そこ、本性出さない。
フォリア:出会ったころのメリーさんと同じですべすべつるつるぴちぴちでした。
まあ、遺伝子殆ど同じだから当然なんですけどね。ただ若いとハリが違――
メリー:も、もういい、黙っててくれ……色々と痛い。
リン:あ、あの、判り易く説明を!
メリー:ん、だから、そこの槍の娘が、お前用に体を誂えて、
お前の魂を封じ込めたんだ。
洗剤の詰め替えパックみたいにな。
死なずに済んだんだから、礼の一つくらい言っておけよ。
フォリア:ノーザンの秘法で作った特注品ですよ。しかも
その体は、バラバラになったメリーさんの体の一部――
タイタニアの翼がベースになってます……だから、良く馴染むでしょう?
大事にしてね?
リン:!
メリー:まさか、こんな風にリサイクルされるとは思わなかったな。
サージャ:まさにECOだな。
メリー:誰が上手い事言えと。
しかし、昔の私、こんなに可愛かったっけ。
フォリア:ああ、半分くらいウォルスさんの生体情報をブレンドしてるからですかね。
サージャ:道理で、美形で色白で聡明で知的で貧乳な訳だ。
メリー:はっはっはそっかー!
……覚えておけよ貴様。
さて、こっちは無事解決だな。
次は馬鹿な男達を殴って止めに行くか。
リン、飛べる?
リン:う、うん……大丈夫、かな。
フォリア:じゃ、急ぎましょう。
サージャ:今頃、“将軍”に怒られてる頃合いじゃね?
メリー:なんだ、じゃあゆっくりでもいいか……。
フォリア:気を抜かない。決戦は家に変えるまでですよ。
リン:あ……
――さようなら。
メリー:リンー、何やってんのー。
リン:あ、待って!