メリー:リベンジは明日、か……。
クホの力、通じるといいが……。
ヴァルカン……すまない、お前と初めて打った剣……
やっぱり破壊する事になるよ。
天国から……私を見守ってくれ……。
フォリア:メリーさん。
メリー:どうした?明日は早い、そろそろ寝ておいた方が……。
フォリア:明日の戦いの事なんですが……。
メリー:……フォリアは、サージャと兄さんと協力して
グリランドリーの使役する邪神の撃退を頼む。
私は、3人とクホホテップの力を借りて、本体を破壊する。
フォリア:いえ、戦いが終わった後のことなんです……。
メリー:……?
フォリア:私、戦いの後もメリーさんの傍にいたいです!
メリー:…………?
フォリア:……レッドさんが救出されれば
私が出来る事なんて、何もないのですが。
メリーさんの体も、私の魔法が必要が無いくらい、回復しましたし。
メリー:…………は無いか?
フォリア:え?
メリー:私に……何か出来る事はないか?って聞いたんだ。
今まで、フォリアは私に良くしてくれた。
付きっ切りで看病して、命を賭して闘ってくれた。
見ず知らずの私の為に……それが、凄く不思議だったんだ。
フォリア:……特に理由なんて……。
強いて言うなら……友達になれる、って思ったから、ですかね…。
メリー:ふむ?
フォリア:私は……小さい頃から昔から、各地を飛び回って
サージャさんと魔物や邪神を狩ってきたので
メリーさんみたいに付き合える、同性の友人がいなかったんです。
メリー:そうか……。
フォリア:だから、嬉しくって……。
メリー:私は……フォリアの事、大好きだよ。
フォリア:……私もです!
メリー:ならば――私達は永遠に友人だ。
フォリア:はいっ!
サージャ:あいつら……勝つ気満々だな。女は怖いな。
クホホテップ:負けるわけないにゃ。
あっちは邪神1、そしてこっちは邪神『2』。
それも、こちらにいるのは希代の――
サージャ:……俺は、神と名のつく存在じゃない。
“人”として生きてるんだ。
クホホテップ:何でですにゃ?
サージャ:神のままじゃ、高い場所から見下ろすことしか出来ない。
人と同じ位置に立って、初めて見える物がある。
それに気付いた俺にとって……世の中に混沌を撒き散らす事なんて、もうどうでもいい事。
アイツらと面白おかしく楽しく日々を過ごす――そっちのほうが大事だ。
クホホテップ:主は変わりましたね。
サージャ:変えてくれる人がいたのさ。
クホホテップ:いい事だと思いますにゃ。
サージャ:お前も邪神の看板を下ろしたらどうだ。
――そもそも“邪神”に相応しい能力じゃないだろう?
戦争の道具を滅ぼし、平和を導く――それがお前の望みだったな。
クホホテップ:……でも、気付いたのにゃ。
わらわが道具を取り上げても――戦争は無くならない…戦う事も人の本質だと。
だから、わらわは永久に眠ろうとしたのですにゃ。
サージャ:怒ってるか、起こされて。
眠りたければ――――俺が永遠に眠らせてやるが?
クホホテップ:…………。
怒ってるわけがないにゃ。
わらわの力で、人が救える――心が打ち震えて止みませんにゃ。
それに、なんだかこの時代の連中は愉快にゃ!
だから、目覚めさせてくれた主には、感謝しておりますにゃー。
サージャ:そうか。
クホホテップ:もう少し、この時代に生きてみようと思いますにゃ。
それでも絶望したら……主のキスで、眠らせてくださいにゃ。
サージャ:……ああ、判った。
(俺の方が先に眠ることになるかも知れないが――その時は許せよ)
…………
グリランドリー:レッド、大丈夫?
レッド:ああ……。
グリランドリー:すぐに良くなるから、寝てなさい。
レッド:そうする……。
……あれは……
メリー、だよな……?
あれ、何で羽も無くて胸があるのにメリーなんだ?
でもメリーはメリーだよな……
じゃあ目の前のは……?
――俺は今、何処にいるんだ――