狩~りはじ~めたーらー そーく枯渇~♪
前回(第47話:カンストなんて無理ぽ)のあらすじ
最終防衛線【四十八】を打ち破った我らが
女装弓兵サージャ。
仇敵【JLF】(Job・Level・Fifty)の本拠地に単身乗り込んだ彼の前に
首領【LEVEL7×7】が立ち塞がった。
『必要経験値22M超アタック』『武器の耐久あばばばバスター』
『エクト場の中華ビーム』『肩凝り拳』等の
超強力な必殺技でサージャを追い詰める
【LEVEL7×7】。
何時もの様に『もう駄目だ』と弱音を吐き始めるサージャ。
だがその時、今まで倒してきた数万体のMob達の顔が脳裏を過り
サージャに力を与えた。
『そうだ……必要経験値は今までの
たった8分の1じゃないか!』
自己暗示により脳内麻薬を分泌させたサージャは一転し
禁術
『ランカック』『ハイガーリ』で
【LEVEL7×7】を追い詰める。
そしてその猛攻が12時間に達するか否かという時だった。
【LEVEL7×7】が絶叫を上げ爆死し、サージャの最後の封印が解けた……
「零距離クリーブアロォォーッ!(CV:天野由梨)
」 アーチャーの紋章を宿されてから、丸二年。
ずっと睨み続けてきたゴールに、今立った女装弓兵。
ようやくその手に掴んだ最終奥義<クリーブアロー>……その勇姿を前に
サージャの心は
「超使いにくっ!」 やるせなさでいっぱいなのであった。
※乱獲・廃狩りは程ほどに。よい子はマネしない。「SAGA7、そしてキャップ開放か」「いい加減、ガンナーにスイッチしないとな」……
ガンナーになったらもう弓は握れない。
レプリカ弓が装備できない以上、全ての弓スキルとはお別れだ。
ふと、上を見上げる。
12個並んだ窓には、見慣れた『戦友』が顔を並べていた。
比類無き早撃ち
クールなデュアルアロー
コンビネーションの要
影の薄いチャージアロー
細く強固な命綱
紅一点ポーションアロー
低燃費高威力の切り札
カレー大好きブラストアロー
定番にして王道
熱血ボウディレイキャンセル
何万回とファンクションキーを叩いた。
息をするように、スキルを発動し、矢を放った。
手元なんて見なくても、思い通りに弓を操れる。
そんな当たり前の日常も、今日が最後。
そう思った途端、俺の頬を熱いものが伝った。
「そうか……もうあの日常は、帰ってこないのか」左手を見下ろす。
そこにあるのは、俺の一部。
今までに砕けた全ての弓の魂を受け継いだ、最強のボウ。
竜穿つ弓、ドラゴンスレイヤー……
お前がいたから、メイオウも倒せた。
お前のお陰で、肝っ玉母ちゃんも殺れた。
ストライカーは決して出来ない子じゃ無かった。
そりゃ、辛い事もあった。
具体的に思い出したくないけど、辛い事だらけだった。
消そうと思った時期だってあった。
だけど、弓を信じた。
信じ続けてここまで来た。
だから俺は今、ここにいる。
ストライカーとして。
弓使いである事に、一片の曇りも無い誇りを持って。
有難う
俺を支えてくれて。
有難う、本当に有難う
諦めない心を、戦いの醍醐味を、強さを、教えてくれて。
弓から学んだ事、俺、絶対に忘れない。
…………
「俺、また戻ってくるよ……」決めた。
ガンナーを極めたら、またストライカーに戻る。
帰って来て、またお前で戦って、更なる高みを目指す。
世間の評判なんて関係ない。
俺の還るべき姿は銃兵じゃない、弓兵だから。
約束だ……
だから、その日まで
待っててくれよ……相ボウ!かくして、サジタリウスの真名を持つ女装は
新たな一歩を踏み出すのであった。
嘘ぷーに決まってんだろが。 PR