メリー:……目の前にするのは、およそ三年ぶりか。
サージャ:ずっと、セージマスターに預けてたんだがな……
危険ではないが、やはり特殊らしい。
“誰かが憑依中”の反応は感じるんだが
ハウルアウトやゴゥアウト、魂抜きでは、外部から解除出来ない。
しかも、憑依しようとすると術的に弾かれる。
更には……並大抵の攻撃では破壊どころか傷一つつけられなかったらしい。
フォリア:言ってしまえば、武器が完全に外部からの干渉を遮断してる状態ですね。
一種の結界だと思います。
メリー:野郎……中でレッドを好きなように弄んでるのか……。
フォリア:メリーさんメリーさん、女は“野郎”では無く“アマ”です。
サージャ:そこはツッコミ所なのか……。
サージャ(Wis):(しかし性格変わったな……豪放磊落というか男勝りと言うか……)
フォリア(Wis):(元々、感情の起伏は激しそうでしたし……鍍金が剥げたんじゃないですか)
……
グリランドリー:(……あら?)
(結界が揺らいだ……何かに共鳴してる?)
レッド:どうしたんだ、メリー?
グリランドリー:ううん、何でも無いよレッド♪
ねぇ、もっと撫でてぇ……。
(……“私”に共鳴して干渉を加えられるのはただ一人……しかし)
(生きてる筈が無い……)
メリー:手に馴染む――私は憑依できそうだぞ?
フォリア:!
サージャ:やはり、創造主と被創造物だからな、通じるものがあるんだろ。
だが、憑依は危なくないか?
メリー:敵の体内に飛び込むのは得策じゃないよな……よし――
一思いに――――叩き折ろう。
サージャ:は!?
メリー:私なら干渉出来るようだからな。
破壊すれば、レッドも外に排出されるだろう。
フォリア:まあ……確かに、そうでしょうねぇ……。
サージャ:(出てくるのがレッドさんだけならいいが……)
メリー:惜しい気もするが……
剣なら、また幾らでも作ってやるからな、レッド!
…………
ゴゴゴゴゴ
グリランドリー:……!
レッド:うおっ!?
レッド:なあメリー、今の地震かな?
グリランドリー:ど、どうかしら?
(ま、間違いない!アイツは生きてる!
首刎ねても生きてるなんて、私以上の化け物じゃない!)
グリランドリー:――ねぇレッド。
レッド:ん?何――
レッド:んを――――
グリランドリー:御免なさい――ちょっと眠っていてね。
…………
メリー:砕けるどころか、歪みもたわみもしないな。
フォリア:やっぱり、破壊は無理なんですかねぇ……。
サージャ:……む?
……気をつけろ、二人とも!
メリー:!!
レッド:…………。
フォリア&サージャ:!
メリー:…………
メリー:レッ――
フォリア:メリーさん危な―
メリー:――この……っ、馬鹿亭主が!
簡単に乗っ取られてるんじゃなーい!
キィィィン...
レッド:いきなり殴りに来るなんて…貴女正気?
仮にも自分の元旦那でしょうに。
メリー:レッドの声、レッドの顔で気持ち悪い喋り方するんじゃない!
それとなぁ――
レッドは今でも私のものだ!
調子乗んな屑鉄がぁぁぁ!
レッド:ぐはっ!?
グリランドリー:(ここまで強くなってるなんて、誤算だった……!)
ここは、飛んで逃げる……っ!
メリー:くっ、この庭じゃ追いつけない……!
サージャ、駄目もとで狙撃を――
フォリア:後は、任せて下さいな。
メリー:……何?
サージャ:そろそろ届くと思うぜ――
ヤツらを追うための足がな。
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